ゴミ出しや郵便物回収などの家事代行サービスを 5分100円から依頼することができる「御用聞き」。草むしりや大掃除などの大掛かりな依頼は5分300円、30分2000円という価格設定。出張料が500円かかるが、資格がいらない作業ならなんでもOKだという。東京・練馬区に住む女性からは庭の柿の木を切ってほしいという依頼が。いつもは自分で切っていたが骨折してしまったのだという。作業は40分ほどで終わり、伸び放題だった木がすっきりとしていた。料金は出張料含め3190円。「御用聞き」の代表の古市さんは、依頼者とのコミュニケーションを大事にしているという。
古市さんいわく、11月は大掃除シーズンを控え「片付けられない家」の依頼が増えるという。中野区で暮らす60代の男性は食事をデリバリーで済ませることが増えた結果、ゴミ捨てが追いつかなくなっているという。この男性は妹と一緒に暮らす予定になっており、この日のうちに妹の荷物を運ぶ引越し業者が来てしまうという。業者が来るまでの5時間で掃除を終えることができるのか。「どうしても時間内に終わらせてほしい」という依頼者の頼みで、スタッフを4人に増やして取りかかる。リビングの生活ごみを片付けると7年前のビール3箱などが見つかった。作曲ができるように、総額200万円以上の機材を取り揃えた“自作スタジオ”もあった。男性は「この機会に作曲をしてもいいかもしれない」と話した。引越し業者が来る直前に作業は終了。スタッフ4人で5時間の作業となり、出張料を含めて9万200円となった。
「御用聞き」のエリアリーダーの風間さんは、今回で4回目だというリピーターからの依頼に向かう。文京区に住む70代の男性で、カーペットを1m移動させてほしいという。左半身にまひのある男性にとってはこの1mがとても大事で、フローリングがむき出しになっていると転倒してしまうため、カーペットをずらす必要があるとのこと。風間さんたちは家具を部屋から運び出し、カーペットを移動した。作業はすぐに終わったが、男性は終活中で、おしゃべりしながら写真の整理をしたいと、風間さんたちに依頼。現役時代の思い出話を20分ほど話し、「一人暮らしだから話せるのが本当に嬉しい」と語った。カーペットの移動と話し相手で、出張料込み3850円だった。「御用聞き」代表の古市さんは「お互いに『ありがとう』と言うことで、温かい雰囲気が生まれる。その瞬間が『やっててよかった』と感じる」という。