おととい就任後初めての所信表明演説に臨んだ高市総理は「世界の真ん中で咲き誇る日本」と安倍元総理が好んだフレーズを使い、外交安保や経済政策で師と仰ぐ安倍氏の政治手法を意識した“高市カラー”が鮮明となった。それは新内閣の顔ぶれにも現れた。最年少で初入閣した小野田紀美経済安保相は、総裁選で「チーム早苗」のキャプテンを務めた。アメリカ人の父と日本人の母のもとに生まれ、「正義の味方」に憧れて政治家を志したという。新設された“外国人政策”担当大臣も兼務する。就任会見では「外国人を巡る現下の情勢に十分に対応できていない制度・政策の見直し、総合的な検討を進めていきたい」などと語った。初入閣組の中には、「こども政策」「少子化対策」担当大臣に任命された黄川田氏もいる。総裁選の際に高市氏の会見で司会を務めていた最側近の1人。高市氏の推薦人に名を連ねていた片山さつき氏も、財務大臣に就任。かつて20年以上財務省に務め、主計官として予算の査定を担った。財政規律を重んじる財務省への批判が上がっている現状については「財政の帳尻を合わせることだけが究極目的ではない」などと語り、高市氏と同様に積極財政への思いをにじませた。内閣の要となる官房長官には、政治信条が高市氏に近いとされる木原稔氏が就任。自身のホームページに「教育勅語の廃止で道義大国日本の根幹を失った」などと掲載し、そのことを防衛大臣時代に問われると「閣僚の立場で応えることは差し控えたい」などと答えた。
