京都・宇治の名産の抹茶。海外でもブームとなっている影である問題が起きている。宇治抹茶とは、京都府など4府県で取れた茶を京都の業者が宇治地域に由来する製法で加工し臼で挽き粉末にしたものをさす。丸久小山園は江戸時代創業の宇治抹茶の老舗で、中でも「五十鈴」「若竹」「青嵐」は販売制限をする必要があるほど海外でも人気となっている。社長はある中国のオンラインショップを見て怒りを覚えたという。社長が全く知らないところで丸久小山園の商品と同じ名前で売られていた。どんな商品化調べるため入手すると、袋入りの抹茶のパッケージには大きく宇治抹茶と書かれている。缶のデザインは異なるものの、容器の形はよく似ている。商品を確認すると宇治抹茶と表記されていたが、産地は上海。製造販売元の名前が宇治抹茶だった。宇治抹茶は中国では商標登録されていないため、社名を宇治抹茶とすること自体は中国の法律上問題ない。ただ社長は「勘違いで購入するのでは?」と危機感をつのらせている。中国の宇治抹茶社は、HPに会長とされる女性の写真とともに「抹茶の起源は中国にある」などとコメントが記されている。また抹茶の文化を伝え市民に体験してもらうような活動もしているとされている。上海にある会社を現地取材。すると、入口の表記は「御治末茶」となっていて、HPにあった画像から変わっていた。しかし周辺には、宇治抹茶とかかれた段ボールがあった。電話で認識を問うと、社名は現在両方使っているという。商品の「五十鈴」などの名前は他の企業も使っているとした上で、消費者をだましているつもりはないと答えた。日本の専門家は、中国の法律でも問題になる可能性があると指摘。しかし、中国産にも関わらず宇治抹茶と表記して抹茶を販売している会社は複数ある。現状では会社を1つ1つ訴える必要があり、対応には限界があるという。