元特攻隊員の川野喜一さんが自宅の一角に設けた大分予科練資料館には、戦友や遺族から寄せられた写真や遺書など約3000点が展示されている。川野さんは16歳で茨城県の土浦海軍航空隊に入隊し、特攻隊として出発する前日に終戦を迎えた。川野さんが亡くなってからは長男が受け継いだが、今後管理する人がいないことから閉館を決めた。閉館の情報を知り訪れた人の中には、戦争を研究するアメリカの大学関係者もいた。資料は大分県護国神社に移され、戦後80年の企画展で展示することが検討されている。資料のには靖国神社とこの資料館にしか現存しないという旧日本海軍の爆撃機「彗星」のプロペラスピナーもあった。戦後79年、戦争の記憶を語る資料は新たな場所で平和の尊さを後世に伝えていくことになる。