ダイハツ工業の滋賀工場内に建てられたプラントでは牛のフンからメタンガスをつくる実証実験が進められている。牛のフンを2週間かけて発酵させメタンガスを抽出し、このメタンガスを使って発電し工場の電源の一部として活用する。実証実験で牛のフンを提供しているのが地元で近江牛を育てている牧場。およそ2200頭が飼育されている、この牧場では1日10トンほどの牛のフンを自分たちで数カ月かけて堆肥に加工している。実証実験に加わることで今後は牛のフンを自分たちで堆肥にすることなくそのまま、回収してもらえるようになるため時間と労力を削減できるようになる。ダイハツは畜産農家から集めた牛のフンでメタンガスとともに固体と液体の肥料を作ってコメ農家に提供。農家から出る稲わらを牛のエサとして活用し、循環させる。地域で持続可能な農業を作る狙い。実証実験の舞台となる竜王町も期待を寄せている。ダイハツでは今回のプラントについて数年以内に規模を拡大させる方針。将来的には牛のフンによるメタンガスで自動車に使われるアルミの加工に必要な燃料ガスのおよそ10%をまかない工場から出る温室効果ガスの削減を目指す。