動物への虐待の疑いがある事件は近年、急増している。日本獣医生命科学大学(東京・武蔵野市)で働く教授たちは、動物の不審な状況を獣医学的な根拠やアプローチを用いて解明する法獣医学を専門としている。去年1年間に、動物愛護法違反で摘発された事件は181件(警察庁より)。ここ10年で4倍近くに急増していて、教授らの解剖も年間200件以上に上る。しかし国内で法獣医学を学ぶ教育環境は限られていて、担い手不足が課題となっている。田中亜紀特任教授は「動物虐待をまずは見過ごさず、犯罪として検挙、対応するところを目指している」などと語った。