さいたま・浦和区。さいたま市浦和駅から歩いて15分。創業50年以上の食堂おすず。一番人気はとんかつ定食480円。やわらかさの秘密は2センチほどに切った豚ロースをしっかり叩いて薄くし、まんべんなく衣をつけ、火が通り過ぎないようにさっと揚げる。やわらかさとカリカリ食感が楽しめるという。ほかにも焼肉定食なども人気。価格維持には店主の奮闘と家族の絆があった。
2代目店主の佐々木英正さん33歳。人件費削減のため母・日登美さんと2人で切り盛りしている。人件費削減だけでは限界だという。朝10時前、仕込みの合間に向かったのは近くのスーパー。さらに別のスーパーにも。2軒目はこの日の特売品100g85円の豚ひき肉を購入した。少しでも安く仕入れるためのスーパー行脚。3軒の店ではジャガイモを購入。野菜や肉など全12品を購入。1000円以上の節約が出来たという。こうして少しでもやすい値段を探して6軒以上のスーパーを回ることも。午後4時再び買い出し。保育園に預けた1歳と3歳の娘。共働きのため佐々木さんは仕事の合間に子どもの送り迎えをしている。 食堂の売上だけでは生活が難しいのだという。低価格維持にこだわるのか。店主の佐々木さんは苦しいときはお互いさまなどの思いを述べた。そんな佐々木さんの思いを支えていたのは家族の絆だった。