2014年3月27日、再審開始決定を勝ち取った。それを可能にしたもう一つの新証拠がDNA鑑定だった。鑑定を引き受けたのは法医学者の本田克也だったこの事件では既に2000年にDNA鑑定が行われていた。シャツの右肩についていた血痕。この血痕は犯行時に肩を怪我した巌の血だと検察が主張していたため鑑定が実施された。だがこのときは鑑定不能という結果だった。本田は弁護団から再鑑定を依頼されたが断った。本田は過去DNA鑑定にまつわる苦い経験があった。それは足利事件のときのことだった。足利事件では警察庁が当時導入したばかりのDNA鑑定が決定的な証拠とされ菅家利和さんが犯人とされた。事件の弁護団はDNA鑑定が間違っている可能性があるとして本田に再鑑定を依頼した。再鑑定の結果、DNAは一致しなかった。DNA鑑定を覆すことは捜査機関の威信を落とすことになる。捜査側の再鑑定でもDNAは一致しないことが判明これによって菅家さんの無罪が確定した。間違いをしてきされたら権威はガタ落ち。そのため検察からものすごい反論書が現れすごい辛辣な言葉で書かれた。そのため本田は袴田事件を引き受けることが出来なかった。その後、弁護団長からどうしてもと頼まれ、本田は渋々引き受けた。本田は血液細胞だけを凝集させて鑑定をすると、シャツの血痕から抽出したDNAは巌のDNAと一致しなかった。2014年3月27日、静岡地裁は再審開始を認めた。