1990年に出版された佐木隆三「身分帳」。この本を原案としたのが映画「すばらしき世界」。「身分帳」には映画では映画で描かれなかった主人公の幼少期が数ページだけ綴られている。主人公が戦争孤児である僅かな記述から着想を得て映画「わたしの知らない子どもたち」が生まれた。主人公は戦争孤児になった12歳の少女。路上生活をする少女が髪を切り少年になりすまし過酷な時代を生き抜く姿を描いている。戦争をまつわる映画を作る中で西川さんには挑戦があったという。戦争孤児は全国に12万人あまりいたとされている。西川さんは映画制作にあたり戦争孤児のことを一から学んだという。出演者とともに孤児が生きた場所を訪ねた。調べた内容をノートに書き留めながら5年にわたってリサーチを続けた。全部で10冊を数えた。映像化するときにアイディアやプランも丁寧に書き込まれている。子役は撮影時間に制限がありスムーズに撮影ができるよう準備していた。さらにこだわったのは映像の色合い。思い現実を描くからこそ画面を明るくすることで若い世代も馴染めるよう工夫した。独自の表現で戦争を描いた西川さん。
