荻外荘では来客のおもてなしにも使われていた食堂が。西洋風のデザインだが、伊藤忠太はこの部屋にしっかりと東洋風も盛り込んでいる。鶏頭という植物に似た文様は中国から伝わったとされる。また荻外荘の天井が高いのは、医師の入澤達吉が西洋の暮らしをすれば日本人の身長が伸びると考え、椅子の暮らしを基本とし、それにあわせて天井や鴨居を高くした。当時の住宅の鴨居のタカさは5尺7寸。6尺はほしいという入澤の主張に6尺3寸に。ひさしや天井を高くすることで外光を取り込んだ。近衞文麿にとっても良い住宅で、長身痩躯の近衛は、普通の日本の家の鴨居ではよく頭をぶつけていたがストレスなく過ごしていたという。広縁では当時は富士山が見えていた。
