JR小平駅前の商店街でスタッフは午前2時に仕事人と待ち合わせだったが、午前3時に寝坊したとして仕事人が現れた。前日に商店街の会合があり、夜11時に寝たという。東京小平市の「だんごの美好」は1日に1000本のだんごを売っており、みたらしだんごを1本50円で販売している。餅もタレも手作りで醤油が強めに効いている。ずんだあんやゴマだれは90円、レモンあんは100円、道明寺とくず玉は130円で売られている。おにぎや弁当も売られており、いなりずしは3個で240円。
仕事人は大量のしょうゆを容器に注ぎボウルに流し込み砂糖6kgを入れ、みたらしだんごのタレを作っていく。朝7時までに1日に売れるだんご1000本と和菓子10種類、弁当類を100パック以上作るという。商品は約70種類ある。仕事人の沼崎直隆さんは2代目店主である。いなり寿司や餅、赤飯のなどの仕込みを沼崎さんは1人で同時に進めている。餅の上新粉が蒸し上がり、冷水に落とした。冷やしてあら熱を硬くなるという。夏は水がぬるいため冷やすのに時間がかかる。手を抜かないことが先代の教えだという。あら熱を取った餅を自動餅つき機に入れ、出来上がった餅をだんご製造マシンにセットする。沼崎さんに真夜中に調理をする理由を聞くと「その日に作った方が美味しいから」と答えた。開始から1時間、商品はまだ1つもできていない。午前4時5分、2代目店主の母親の利予さんが出勤し、息子の応援に駆けつけた。だんごの美好は30年前に親子3人で始めたが、去年12月に父親が心臓の病で他界した。父は生前、とにかく味で客を裏切るなと言っていたという。午前5時、アサリのおこわおにぎりに使うもち米が蒸し上がり、息子がアサリと山菜を混ぜ込み母が握っていく。アサリのおこわ おにぎりは弁当の中で一番人気で、毎日午前中に売り切れるという。母はもち米の食感を生かす力加減をスピーディに正確に繰り返し、150個のおにぎりが完成した。この他に昆布、わかめ、シャケなどの具材も握り、高速で海苔を巻いていく。午前5時58分、母の妹の風間栄子さんが出勤した。栄子さんはこの店が始まった30年前からパートを続けており、いなり寿司を素早く丁寧に包んでいく。姉はみたらしだんごにタレをつけ始めていく。だんごや和菓子が出来上がり、午前7時に全ての商品を作り終えた。店頭の和菓子が減っていくと息子は高速で補充する商品を作り上げていく。午後4時には全ての商品が完売した。母親と妹は一足先に家路につき、その少し後に沼崎さんは帰っていった。