プロ野球選手に欠かせないものは卓越した技術と強靭な肉体。そしてプレッシャーに打ち勝つ強い心。藤川氏がメンタルパフォーマンスコーディネーターの遠藤氏をたずねた。遠藤拓哉さんはスポーツ心理学のスペシャリスト。DeNAの一員としてチームに付き添い、選手の心をサポートしてきた。球界では珍しいメンタル専門スタッフ。チーム作りの最前線に迫る。遠藤氏にインタビュー。心理面のパフォーマンスを向上させるためにこのような心構えでとかマインドセットなどを提案しているという。ある日、話し込んでいた選手はリリーフの中川虎大投手だった。今シーズンの登板数はプロ入り後最多となる15試合で防御率は1点台と伸び盛り。活躍の裏には遠藤さんのアドバイスがあった。中川投手は、シングルヒットはOKだと思っているが、ヒットは打たれたくないという気持ちもあるといい、相反する気持ちだと指摘され、気持ちの整理が必要だとアドバイスを受けたという。アドバイスを受け、シングルヒットはOKと普段から意識するようにしたという。ランナーを出しても0で抑えて帰ってくればいいと思えるようになったという。遠藤氏はすべては準備だといい、準備をどれだけ自分の納得いくものにできるか、が自信につながるという。　
遠藤さんがDeNAのチームづくりに携わるようになったのは2022年。直前はソフトボールや車椅子ラグビーの代表チームをサポートし、東京大会のメダル獲得に貢献した。その経験から重視してきたのが試合に臨む前の心の準備。ある日、用意してきたのが「きりかえスイッチ」と名付けられたアイテム。スイッチを叩くことにより、オフからオンになるという。選手たちはベンチ裏でスイッチを叩いてからグラウンドに向かう。藤川氏も現役時代、気持ちを高めることに悩んだ経験があるという。遠藤さんは日常的に選手に寄り添い、孤立させないことが重要だと考える。遠藤さんがサポートをはじめてから、DeNAは上位争いを繰り広げてきた。今シーズンも強い心がチーム浮上の鍵を握るのかもしれない。