台湾で総統選挙が行われている。前回4年前の投票率は74.9%で、今朝の投票所は朝から長蛇の列ができていた。立候補している民進党・頼清徳氏、国民党・侯友宜氏、民衆党・柯文哲氏の大接戦が伝えられる中、選挙の鍵を握るのは若者層だという。若者をターゲットにしたフェイクニュースがSNSなどで出回っている。去年SNS上で拡散された動画は、与党の頼清徳氏が野党の主張を支持するかのように話すありえない内容。台湾ファクトチェックセンターによると、頼氏が実際の取材内容にAI音声を付け足したと分析。政治関連の偽情報は明らかに増えているという。専門家は、フェイクニュースの背後に中国共産党の存在があると指摘。さらに海外に住む台湾出身者の動向もポイントになる。中でも、中国は台湾出身のビジネスマンが20万人も暮らしている。その多くが国民党支持者だという。6年前に北京に来たという男性もその一人。両岸関係の緊張感は私の人生や仕事に影響を与えていると語った。北京で人材派遣の仕事をしており中台関係の改善が望ましいという。男性は「統一が台湾にとってベストだと思う」などと言う。今週この男性の姿が北京首都国際空港にあった。投票のため台湾に帰省するという。台湾には在外投票制度がなく投票するためには帰省しなければならない。こうした台湾へ帰省する人たちに中国の航空会社が航空券の補助をおこなっていると報じられた。親中派の多い台湾出身者の帰省を支援することで国民党票の上積みを狙っているとみられる。