最低賃金の議論が大詰めを迎えている。最低賃金に近い水準で働く人の割合は、宿泊業飲食サービス業、そして運輸業などで多くなっている。賃金を上げるには、コストの増加分を価格転嫁することが重要だが、中小零細企業では難しい状況が続いている。最低賃金に近い給与で働く従業員がいる運送会社。ガソリン代や人件費の増加で厳しい経営状況が続いている。しかし、荷主と価格交渉をしても、コストの増加分を思うように価格転嫁できていない。トラック運送業は、価格転嫁に課題を抱えている業種。中小企業庁の調査では、全く価格転嫁できなかったという企業の割合が業種別で最も高くなった。労働組合は、最低賃金を上げていくためには、価格転嫁ができるような環境作りが欠かせないと訴える。物価高で労働者の生活が厳しさを増す中、過去最大の引き上げの方向で調整されている今年度の最低賃金。このままいけば、全国平均の時給は1050円台半ばになる。