栃木県那須塩原市にある地方競馬教養センターは全国で唯一、地方競馬で活躍する騎手を養成する施設。狭き門の試験に受かり全国各地から集まった若者たちが2年間、寮生活をしながら騎手になるための技術や知識を学ぶ。この春、14名の新たな騎手候補生が入所した。石川県白山市出身で地元の中学校を卒業したばかりの浅野登生は試験直前に能登半島地震を経験。集中できない環境の中、家族の支えもあっての合格だった。この日から親元を離れての生活が始まった。訓練生活の起床は毎朝5時半。起きてすぐに体重測定が行われる。プロの騎手は決められた体重を超えるとレースに出場できなくなるため候補生のうちから徹底した体重管理を身につける。浅野は馬に乗った経験はほとんどなく、世話をするのも初めてだ。彼と同じように乗馬未経験で入所する候補生も少なくない。半年間は基本的な馬術訓練を行い馬の乗り方やコントロールのしかたを学ぶ。落馬すると命に関わることもあるため、教官からは厳しい指導のげきが飛ぶ。厩舎作業に休日はなく同じ夢を持つ者同士で協力する。体重管理のため食事も自分で調整し、自由に過ごせる時間も勉強やトレーニングにあてる。浅野は「石川の人の支えになれるような騎手になれればいいなと思う。金沢競馬場で走りたい」と話した。地方競馬教養センターではこれまでの62年の歴史の中で1743人の騎手を全国の地方競馬に送り出している。
住所: 石川県金沢市八田町西1
URL: http://www.kanazawakeiba.com/
URL: http://www.kanazawakeiba.com/