北朝鮮の選手がサッカーで非常に熱くなる背景には金総書記のサッカー好きが関係しているのかもしれない。以前から北朝鮮はサッカーに力を入れていて1966年に初出場したワールドカップのイングランド大会では強豪・イタリアを破りベスト8入をしている。毎日新聞編集委員の鈴木琢磨さんによると金総書記は子どものころからサッカーで遊んでいたそう。またスイス留学でヨーロッパのプロサッカーを見ることもサッカーの虜になる要因のひとつだったのではと指摘している。そんな金総書記は2013年にサッカー選手のエリート育成のために平壌国際サッカー学校を設立した。この学校では高い目標を掲げているAFP通信によると学校の目標はメッシ選手以上の育成だそう。全寮制で9~15歳までの約200人が所属し、そのうち4割は女子選手だという。厳しい入学試験を突破してもさらに厳しい試験が続き、毎年落第した生徒が故郷へ送り返されるそう。鈴木さんはラフプレーを行った北朝鮮の代表選手はこの学校の出身者が含まれているのではないかという。ラフプレーの理由について鈴木さんは「北朝鮮は国境封鎖を4年近く行ったため、初めて国際試合を経験した選手も少なくなかったのでは。エリート学校で育成された選手の中には日本に負けたくないという気持ちが高ぶり熱くなってしまったのでは。」と話している。また金総書記の心境については「国際的な選手の育成を掲げてきた金総書記にとって日本に負けたことよりラフプレーが注目を浴びたことに心穏やかではないのでは。」。さらに衛星の打ち上げ失敗や食糧不足が取り出たされ、サッカーで国民の士気を高めたかったが、そうした思惑も外れた形になったと推測している、などと伝えた。