今年で関東大震災から100年。NHKと専門家が共同でガラス乾板をカラー化する取り組みが進められている。関東大震災でほとんどが焼き尽くされた横浜市からパノラマ写真が見つかった。焼け野原に残る銀行の写真をカラー化すると焼け落ちたドームの詳細が見えてきた。復興に向けて動き出した人々の姿も浮かび上がった。元になったのは写真のネガにあたるガラス乾板。細かいところまで見えるのが特徴だという。横浜都市発展記念館の吉田さんは写真資料などから横浜の被害実態を読み解いていて、ガラス乾板のカラー化にNHKと共同で取り組んでいる。カラー化したことで被害の実態が見えてきた。鉄道省の技術者と見られる人の姿が確認でき、復興に国をあげて取り組んでいたことが推察される。また、火災の激しさも見えてきた。火災旋風によって吹き上げられたと見られるトタンも確認できる。横浜でも30以上の火災旋風が発生し被害が拡大。人口密集地での火災対策の重要性が裏付けられた。木々がある横浜公園では数万人が助かったという。改めて避難場所における緑地の有効性が示された。震災から10日後に撮られたと見られる写真には避難者らが市役所に集まる様子も確認できる。この時罹災証明書があれば鉄道に無料で乗れる措置がとられ、疎開する人たちだと考えられる。吉田さんは「一つ一つ読み込んでいくことで新しい事実が発見できる可能性もある」などと話している。この映像は国の防災イベント「ぼうさいこくたい」の会場で8K大画面を使って上映する予定。