福島県が制作し、今年1月に完成した防災教育の教材。地震・津波編と水害・土砂災害編の2つがある。制作を担当した県危機管理課の佐藤紘亮さん。元は新聞記者で災害関連の取材経験から教訓を自分の命を守る行動へつなげられる内容にしたいと考えた。そのために工夫したのが今の子どもたちと同じ年代で実際に災害を経験した人たちの証言を得ること。この日は浪江町にある東日本大震災の遺構「請戸小学校」での撮影。震災発生当時この学校の6年生だった横山和佳奈さんに協力を依頼した。学校にいた横山さんは同級生とともに近くの高台へ避難。その後に押し寄せた津波で学校や住んでいた地区は大きな被害を受けた。命を守るための行動が実感を持って語られた。もう一つの工夫が教員の負担軽減。勤務時間の長さが課題となる中で新たな負担を増やさない方法を考えるため現場の生の声を聞き取った。教員からは過去の災害の資料収集や個人情報への配慮など様々な難しさがあるという声が出された。そこで考案したのが指導マニュアルの整備。動画を重要なポイントで一旦止め、感想などをワークシートに記入するタイミングを設けるなど、授業の進め方を具体的に記した。1月末、完成した動画を使った初めての授業が行われた。担当教員は防災の専門的な研修を受けたことはないが、マニュアルを手に授業に臨んだ。この日のテーマは水害。学校の近くを川が流れていることから決めた。証言を見た後で動画を一時停止。地元で実際に起きた災害。それを知った今の気持ちを書き留めるよう指導した。佐藤さんは「様々な災害を経験している福島県だからこそ災害が起きたら自分の命をしっかり自分事として守っていただきたい」と話した。動画は福島県の特設サイトで公開されており、誰でも自由に利用できるという。
