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「高松西高等学校」 のテレビ露出情報

さぬきうどんの特徴といえばコシの強さ。創業約120年の老舗うどん店を訪ねると、コシを生むため足踏みが行われていた。しっかり踏むことで小麦粉からコシのもととなる網目状のグルテンを生み出す。ところが、店のお客さんに聞くと「意外とやわらかい」「ツルツルでのどごしがやわらかい」という感想。実は五代目の横倉さんは4年前に麺の作り方を変えていた。店を受け継いで以来、伝統のシコシコ食感を続けていたが次第に客は減っていった。うどん店を食べ歩くと行列店のほとんどはもちもち食感だと気付いたという。
さらに調査を進めると、もちもちはさらなる進化を遂げていた。外側はやわらかい「むにゅ」、芯はわずかに弾力がある「もち」の「むにゅもち」は新たなトレンド。うどん店店主の古賀さんは老舗で13年修行を積み、伝統の技を習得。故郷・九州の小麦を使っている。
どうしてさぬきうどんは変わってきたのか。明治時代から続く製粉会社を訪ねた。社長の吉原さんは「肉体労働で農業生産者が多い時代にはお腹がいっぱいになる満足感、かみごたえを望む。でも、デスクワーク中心の社会になると変わってくる」と話した。変化を後押ししたのは90年代から広がり始めたパンやドーナツの食感。ライフスタイルとともに様々な食感が生まれてきた。
うどんの食感は言葉の世界ではどう表現されているのか。辞書を引いてみると「しこしこ」 と「もちもち」の項目にうどんの例文が記載されている。しかし、2008年の辞書にはどちらにもうどんの例文はなかった。辞書を編纂した高松さんは「さぬきうどんのイメージが“しこしこした歯ごたえ”とみんなに理解されるようになった。辞書の説明は世の中の動きと連動している」ということだった。
さぬきうどんとは何か。次に調査したのはだし。18のうどん店にだしを提供してもらい、香りのデータ化に取り組むIT企業に分析してもらった。まずは実際に香りをかいで11項目に点数をつける。続いて一つひとつセンサーにかけてAIで香りの特徴を解析。18店舗のだしを数値化するとバラバラで傾向は掴めなかった。
麺もだしも定義がないさぬきうどんはいつから香川名物になったのか。新聞記事を遡ると、昭和26年の四国新聞で讃岐の名産について投票を呼びかけていて、一位はしょう油。トップ10にうどんは入っていなかった。転機は昭和50年、県がうどんの大々的なPRを始めたこと。なぜ県は突如うどん推しになったのか。高松大学の佃さんは、高度成長で観光ブームが始まり、当時の金子正則知事が選んだのがうどんだったと話した。県職員が作曲し、踊り手も県職員が務めて物産展などのたびに全国を回って「讃岐うどん音頭」を踊ってPRしていた。そして、さぬきうどんブームを決定づけたのは中高生に熱狂的支持を得ていたタウン誌「TJかがわ」の記事。書籍化しベストセラーにもなり、香川には全国から若者がやってきた。
取材最終日、“もちもち”で復活を遂げた老舗店に高松西高等学校の学生の姿が。授業で考えたうどんをメニューに入れてほしいと直談判していた。背脂ギトギト、野菜モリモリ、にんにくマシマシの二郎系うどん。突飛な提案だったが横倉さんは一緒に施策を行い、背脂は無理だったがにんにくは採用。こってりボリューム満点のうどんが出来上がった。この日も新たなさぬきうどんが誕生した。
住所: 香川県高松市鬼無町山口257-1
URL: http://www.kagawa-edu.jp/twesth01/

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