和歌山県の紀ノ川流域は昔から繊維産業が盛んな地域。老舗の工場を訪ねた。パイル織物は下地にパイルと呼ばれる糸が織り込まれた生地で表面が立体的なのが特徴。新幹線の座席や国会議事堂の椅子など高級感が求められる場所で使われる。工場の織機につながっている糸の数はなんと7000本。下地を作る糸だけでなくパイル糸も織り込んで模様を作るため大量の糸を同時に扱う必要がある。大がかりで複雑な織機。人の手による調整も欠かせない。ニット生地の産地へ。和歌山のニットの特徴はなめらかな質感と肌触り。30年以上前からヨーロッパの高級ブランドが生地を買い付けている。工場では20台の機械を稼働させあらゆるオーダーに応じて年間300種類の生地を作る。