きのうがん患者の会見。その中の1人、水戸部ゆうこさん(50)を取材。夫(52)、息子(高校2年生)、息子(中学2年生)の4人で暮らしている。水戸部ゆうこさんは、7年前がんと診断。2018年、咳が止まらなくなり近所の病院を受診するも一向によくならず病院を転々とする。中核病院でがんと診断される、肺腺がんステージ4。手術や放射線治療が困難な状況で一時は絶望的な状況。分子標的薬に望みを託す。タグリッソ(1錠2万円)、毎日1錠服用。1年間およそ360錠、720万円。現在は、高額療養費制度利用で自己負担50〜60万円。がんになり世帯収入減。水戸部ゆうこさんは、がんになり離職、夫の扶養に。今でも治療費が家計を圧迫。
水戸部ゆうこの2人の息子たちは来年受験。水戸部は「私に使うお金を極力減らすしかない。治療をやめれば子どもにもっとお金が使える」と話す。政府に方針について水戸部は「一番困っている人にどうして手が差し伸べられないのか。病気を抱えながら働けない人もいる。こういう冷たいやり方はすぐ改めてもらいたい。白紙撤回して欲しい」と話す。子育て中のがん患者の意見を紹介。医療ジャーナリスト・森まどか、全国保険医団体連合会事務局次長・本波省吾による解説。
高額療養費制度見直しの決定プロセスにも不満の声が上がっている。去年11月に見直しの検討が開始されたが、厚労省の社会保障審議会医療保険部会の委員の出身母体を見ると、医療提供者、医療保険運営者、経営者団体、労働組合などが中心。患者側に近いのは、全国老人クラブ連合会、NPO高齢社会をよくする女性の会のみ。専門家からも現役世代への影響を懸念する声が上がり始めたという。厚労省は見直しの過程で、長期療養者を抱える患者団体からヒアリングを実施していない。厚労省幹部は「患者団体の意見を聞かなかった点も含め、プロセスに丁寧さを欠いたと指摘されたら否定できない」と話す。昨日の会見でがん患者からは「今回の改正は一旦立ち止まり、他の省庁と協議し、資料を揃えて患者と家族の声を取り入れて、再審議となることを切に望み願う」と話す。月の医療費100万円の場合の上限額案を紹介。
政府が高額療養費引き上げを迫られる訳として、1月29日に石破総理は「高齢化や高額薬剤の急速な普及、総額が年々増している現役世代を中心に保険料負担が大きな課題に。制度のセーフティーネットの役割を維持しつつ、負担の抑制につなげるため見直しをする」と話す。高額療養費の支給額は年々増え、10年で7000億円増加している。森は「進歩と共に薬の値段も高額に」と指摘。更に国民医療費が30年で2倍に増加しているのもある。1992年度国民1人あたりの医療費は18万8700円だが、2022年度では37万3700円となっている。制度の見直しで健康保険料の負担軽減は、各健保組合などで数百円前後の負担軽減。これが石破総理のいう見直しの効果なのかという疑問もある。高額療養費引き上げの理由は他にもある。朝日新聞によると、子ども関連政策の財源確保として、23年末に閣議決定した「こども未来戦略」で児童手当の大幅拡充など年3.6兆円規模だが、うち1.1兆円は28年度までに社会保障の歳出削減で賄う予定。法改正を経ずに閣議決定で見直しが出来ることなどから、高額療養費制度が対象になっているのではとみている。森は「数字ありきで議論が進んでいる」と指摘。本並は「現役世代の負担軽減と言っているが、リスクが上がってしまうのでは」と指摘。保険料をどれくらい払っているのか、新宿区在住・50代・自営業・年収600万円の国民健康保険料(介護あり)の例を紹介。
「高額療養費」引き上げについて今後どうなるのか。朝日新聞ゼネラルエディター補佐・林尚行は「来年度予算案の中の1つなので、全体的なバランスによって修正される事もあるが、予算案が国会で可決されれば、今年8月から段階的に引き上げられる可能性がある」と指摘。本並は「政府が据え置きとしている多数回該当の人は、高額療養費制度を利用した人のわずか1割」と指摘。
水戸部ゆうこの2人の息子たちは来年受験。水戸部は「私に使うお金を極力減らすしかない。治療をやめれば子どもにもっとお金が使える」と話す。政府に方針について水戸部は「一番困っている人にどうして手が差し伸べられないのか。病気を抱えながら働けない人もいる。こういう冷たいやり方はすぐ改めてもらいたい。白紙撤回して欲しい」と話す。子育て中のがん患者の意見を紹介。医療ジャーナリスト・森まどか、全国保険医団体連合会事務局次長・本波省吾による解説。
高額療養費制度見直しの決定プロセスにも不満の声が上がっている。去年11月に見直しの検討が開始されたが、厚労省の社会保障審議会医療保険部会の委員の出身母体を見ると、医療提供者、医療保険運営者、経営者団体、労働組合などが中心。患者側に近いのは、全国老人クラブ連合会、NPO高齢社会をよくする女性の会のみ。専門家からも現役世代への影響を懸念する声が上がり始めたという。厚労省は見直しの過程で、長期療養者を抱える患者団体からヒアリングを実施していない。厚労省幹部は「患者団体の意見を聞かなかった点も含め、プロセスに丁寧さを欠いたと指摘されたら否定できない」と話す。昨日の会見でがん患者からは「今回の改正は一旦立ち止まり、他の省庁と協議し、資料を揃えて患者と家族の声を取り入れて、再審議となることを切に望み願う」と話す。月の医療費100万円の場合の上限額案を紹介。
政府が高額療養費引き上げを迫られる訳として、1月29日に石破総理は「高齢化や高額薬剤の急速な普及、総額が年々増している現役世代を中心に保険料負担が大きな課題に。制度のセーフティーネットの役割を維持しつつ、負担の抑制につなげるため見直しをする」と話す。高額療養費の支給額は年々増え、10年で7000億円増加している。森は「進歩と共に薬の値段も高額に」と指摘。更に国民医療費が30年で2倍に増加しているのもある。1992年度国民1人あたりの医療費は18万8700円だが、2022年度では37万3700円となっている。制度の見直しで健康保険料の負担軽減は、各健保組合などで数百円前後の負担軽減。これが石破総理のいう見直しの効果なのかという疑問もある。高額療養費引き上げの理由は他にもある。朝日新聞によると、子ども関連政策の財源確保として、23年末に閣議決定した「こども未来戦略」で児童手当の大幅拡充など年3.6兆円規模だが、うち1.1兆円は28年度までに社会保障の歳出削減で賄う予定。法改正を経ずに閣議決定で見直しが出来ることなどから、高額療養費制度が対象になっているのではとみている。森は「数字ありきで議論が進んでいる」と指摘。本並は「現役世代の負担軽減と言っているが、リスクが上がってしまうのでは」と指摘。保険料をどれくらい払っているのか、新宿区在住・50代・自営業・年収600万円の国民健康保険料(介護あり)の例を紹介。
「高額療養費」引き上げについて今後どうなるのか。朝日新聞ゼネラルエディター補佐・林尚行は「来年度予算案の中の1つなので、全体的なバランスによって修正される事もあるが、予算案が国会で可決されれば、今年8月から段階的に引き上げられる可能性がある」と指摘。本並は「政府が据え置きとしている多数回該当の人は、高額療養費制度を利用した人のわずか1割」と指摘。