夫婦二人三脚 山あい個人商店。静岡・浜松市の中心市街地から車で2時間以上離れた天竜区水窪町。過疎が進み高齢者の夫婦や一人暮らしが大半を占める。マグロ串、鯖の煮付、春巻き。この地で魅力的なお惣菜を毎日作り続けているのがスーパーまきうち。店をきりもりするのは若手経営者夫婦。社長の真美さんは売り場の惣菜をSNSで発信。静岡・藤枝市出身の真美さん。結婚を機に夫・基さんの実家スーパーまきうちで働くことを決めた。町の外からきた真美さんは惣菜に改善の余地を見出す。味の質はもちろん、種類を増やし、1人分サイズにも対応。これが地域住民のニーズを汲み取った結果だという。店長の基さんは山あいの住民が望む新鮮な海の幸を届けることを大切にしている。週4日、朝3時に水窪を出発し自分が信じるおいしい魚を買い付け、その日のうちに店頭に並べる。おいしい海の幸が山で食べられる。まきうちの売り場に基さんが捌いた魚が並ぶのを住民は心待ちにしている。良い魚を手に入れるため全国にネットワークを張り巡らせている。一昨年から始めた「山でマグロ祭り」。イベント当日は1000人もの客が集まった。店の外でも水窪を売り込む活動を展開。真美さんが去年6月から取り組んでいるのが空き家の活用。創作スペースや展示会場として貸し出す計画ですでに50組以上が利用している。過疎の町・水窪地区、夫婦二人三脚の挑戦は地域の将来の可能性を大きく広げている。