未来の新技術が一同に介した大阪万博。その中に、日本が生んだノーベル賞級といわれる発明が展示されている。バスターミナルの屋根に約250mに渡って設置された太陽電池。従来の太陽電池は平たいものだが、バスターミナルの太陽電池は丸みを帯びている。曲げることを可能にしたのが、ペロブスカイト太陽電池。従来の太陽電池は、割れやすいシリコンを強化ガラスで覆う必要があるため、厚みと重さがある。一方ペロブスカイトという特殊な結晶構造をフィルム化した太陽電池は、歪みに強く薄型で軽くすることができる。薄くて曲げられるので、衣類にも搭載可能。ネッククーラーに活用。ガラス製アートにもペロブスカイト太陽電池を搭載。パナソニックはガラス型の実証実験を開始。KDDIは電柱に貼り付け、積水化学工業は世界最大級のフィルム型のペロブスカイト太陽電池を設置。生みの親は日本人。ノーベル賞候補の呼び声が高い宮坂力特任教授。従来の太陽電池は、重くて巨大なため山の斜面を切り崩して設置されることも大奥、土砂崩れを引き起こす恐れがあった。ペロブスカイト太陽電池は軽くて曲がるので、ビルの壁やテントなどあらゆる場所に貼り付けることができる。日本には大きな強みもある。主原料のヨウ素は日本が生産量世界2位で、メイド・イン・ジャパンが可能。宮坂教授が世界で初めてこの技術を発表した当時は、液体で発電効率が低すぎて実用化は夢のまた夢だった。その発電効率を飛躍的に伸ばしたのは、教え子だった村上さんだった。宮坂教授の推薦でスイスにわたり、ペロブスカイト太陽電池を固形化することに成功。発電効率を10%台に乗せることに成功。現在発電効率は最大27%を超えるようになった。未来の展望について、全国に普及してもらいたい、日本が普及の中心の1つになるようにしたいという。