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「W杯」 のテレビ露出情報

今年1月フランスにいた敬斗。毎朝起きるとすぐに家を出てクラブハウスで朝食を食べて早めに練習に励むという。所属するスタッド・ランスは2部リーグのチームで、去年1部から降格した。降格とともに選手が入れ替わり、ステップアップを目指す20歳前後の若手が多くを占める。そんな中で一部復帰を目指すチームが手放せなかったのが敬斗だった。昨シーズン不調にあえぐチームで、左サイドの敬斗は大活躍。ヨーロッパ王者から2ゴールを奪うなどシーズン11ゴール。その決定力はチームに欠かせないものに。2部降格が決まったときに敬斗は、W杯にむけて高いレベルでプレーしたいと移籍を希望したが、認められなかった。
ランスはフランス北部にある人口18万の地方土地。敬斗は練習の後によく街に出て気分転換を行っていることが多い。7年前に、18歳でヨーロッパに渡り、既に四カ国でプレー。試行錯誤をしながら自分なりのサッカーとの向き合い方を見つけてきた。小さなすね当てに短いソックスを履くのもその一つ。自宅での食事では、元々食が細く痩せやすいために専属のシェフを雇い、献立を任せている。今では夕食が毎日の楽しみになった。
敬斗が初めて日代代表に呼ばれたのはカタールワールドカップ後の23年。得意とする左サイドは、イングランドのプレミアリーグで活躍する三笘薫がレギュラーになっていた。しかし、敬斗は限られた出場時間の中で、次々とゴールを決めていった。初招集からの3年間で10ゴール。エースストライカーの上田綺世を継ぐ得点数に。中央のスペースに入り込み、ゴールを決めた場面でシュートコースは3人に前を塞がれ、そのコースはファーサイドしかないように思えた。しかし相手を股を抜くシュートを狙いゴールに。さらに、去年の10月に日本がブラジルに勝利した試合では、敬斗のもとにクロスが入ったが、通常はあいたサイドを狙うが、敬斗はここでもキーパーの動きを見て逆をつくファーサイドへ。その判断力と技術の他にゴールを取り続けるために大事なことがあるが、ペナルティボックスに入ること、スプリントは絶対に必要だと答えた。
1月下旬のランスでスタッド・ランスは一部昇格を争う上位チームと直接対決。敬斗はここまでチーム最多の8ゴール。代表入りを目指すべく二桁得点を目指していた。しかし、この試合、相手も得点源の敬斗を厳しくマーク。ボールを持てば複数で潰しにくる状況。前半16分にはアクシデントに、ボールを競り合ったときに相手のヒザが太ももに入ってしまった。敬斗は痛みをこらえて試合に臨んだ。しかし何度走っても味方からパスが来ない。その中で苛立ちを顕にした。終盤に1点を奪いチームは勝利。しかし、敬斗にいい形でパスが通る場面は1度もなかった。相手チームからのマークも激しく、ゴールチャンスは少なくなっていたが、半年後のワールドカップに向け焦りをつのらせていた。
敬斗は幼少期にテレビでサッカーをみて以来、その舞台に立つことを望んできた。目を奪われたのはブラジルのロナウジーニョの華麗なテクニック。ロナウジーニョのような選手になると猛練習の日々がスタートした。地元の少年団で、学校の校庭で6年間プレーした。その頃のサッカーノートはシュートの時の足の振り方やボールのどこを蹴るかなど、細かく研究していた。磨こうとしたのは技術だけでなく、小学5年から取り入れたのは坂道ダッシュ。苦しい時にも頑張れる心の強い選手になりたいと始めた。中学卒業までの5年間、多い日には2時間かけ150本以上行った。実家に保管されていたシューズには、積み重ねた努力のあとがあった。中学からは東京のクラブチームに入り、フォワードとしてプレーした。ゴールを決めるための技術を磨いていく。左サイドから切り込んでのシュートをコーチらが呆れ返るほど繰り返した。高校2年の時に飛び級でプロデビュー。その翌年には海外へと羽ばたいた。
ワールドカップを目指し、努力を重ねてきた敬斗。フランス2部での戦いは厳しさを増し、2月にはリーグ戦の試合がすべてスコアレスドロー。パスが繋がらず、二桁ゴールを目指す敬斗もチャンスに絡めない状況が続いた。共にランスでプレーするディフェンダーの関根大輝も敬斗にパスが回らない状況に、もどかしさを感じていた。試合のたびに厳しいマークを受け、体も悲鳴をあげていた。そんな中で、信頼を寄せる人を日本から招いた。専属トレーナーの花嶋義広さんとは20年以来の付き合いがあるという。年に数回2週間ほど敬斗の家に泊まり込んでその傷んだ体をケアしてくれている。過酷な戦いが続くフランス2部での日々に、明るい兆しが見えずにいた。花嶋さんはそんな様子を気にかけてくれ、相談相手に。
Wは今で残り2か月半となった3月下旬に、代表メンバー発表前に最後となる合宿に敬斗は招集された。W杯出場チームとのアウェー戦で、最初のスコットランド戦では、後半これまでにほとんどなかった組み合わせが試された。左サイドを得意とする敬斗と三笘薫の同時起用では、ディフェンスの股を抜いて三笘へ。さらに今度は敬斗が中に入り三苫へ。2人の連動したプレーから決勝点が生まれた。今シーズンパスの繋がらないチームで、もがき続けてきた敬斗は、三笘とのプレーに大きな手応えを感じていた。
3日後には世界的なスター選手を揃えた強豪のイングランドとの試合では、敬斗は三笘とともにスタメン起用。前半23分には三笘がプレスをかけて、ゴールを奪う。その瞬間に、敬斗が誰よりも早く走り始めゴールを決めた。互いを活かしあった先制ゴールだが、後半にはイングランドが猛攻に出る中でも敬斗は走り続けた。チャンスにかけあがり、イングランド相手に日本は歴史的勝利。その立役者になった。
1週間後、敬斗は再びフランス2部での戦いに戻ってきた。チームは未だに攻撃が機能せず、昇格争いで崖っぷちに。そんな中、敬斗のプレーは以前とは違い、ドリブルだけでなく簡単に味方を使い、パスを渡す場面が増えたが代表戦の時と同じやり方をしていたという。プレーが途切れるたびに、チームメイトを捕まえて連携を伝え合う。周りを活かし、自分も活きた代表での経験が糧になっていた。 5月9日には1部昇格に僅かな希望を残し、シーズン最終節を迎えた。1点リードのまま前半39分で、スペースに走った敬斗に絶妙のタイミングでパスが。ディフェンス2人の間を抜いて同点ゴールに。後半もこれまでと見違えるように敬斗にパスがつながった。プロになって初めての1試合4ゴールに。積み重ねた努力が最後の最後で実を結んだ。一部復帰は叶わなかったが、それでもシーズン14ゴールと目標を上回った。敬斗が日本に帰ってきたのは代表メンバー発表の3日後。夢見てきた大舞台に立つ一人になった。今回の日本代表には怪我で三笘薫がいない。敬斗が背負うものははるかに大きいものになった。

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