介護をテーマにした湊かなえの最新作「C線上のアリア」。家庭内で抑圧される女性の感情を描いた。姑との関係について、湊かなえは、自分は田舎の長男の嫁、当時繊細だった自分に言いたいのは、決して上下関係や主従関係ではない、家族ではあっても、個としての距離を保つのがいいなどと話した。最新作では、義母を介護している田舎育ちの50代女性が主人公。女性たちだけが家族の介護を担い、精神的に追い詰められていく様子が描かれている。湊かなえは、日本では、行動と感情を一緒にしすぎている、介護ができないことが親への愛がないように受け取られる、介護や家事に愛や絆などを重ねてしまうから、負担を減らしたときに感情まで否定してしまい苦しむ、感情と行動はセットではないなどと話した。