先月、国内の平均気温が観測史上最高を記録した。記録的な猛暑がビールの売り上げに追い風となっている一方で、生産現場では向かい風になっている。極端な猛暑や大雨などで農産物の品質や収穫に大きな影響が出ている。今、ビール各社は気候変動に負けないビール造りに取り組んている。サッポロビールは群馬県太田市でビールの原料となる大麦を独自で育てている。大麦は、収穫前に降る大雨で発芽する「穂発芽」という現象が増え、甚大な被害が出ている。2100年までに、平均気温が4℃上昇すると、大麦の年間調達額は2050年に約5億円増加すると予想し、10年以上前から気候変動に負けない新品種を研究してきた。ことし、次世代大麦の開発に世界で初めて成功した。2035年までに、商品への実用化を目指す。キリンHDは東大発のベンチャーとともにホップを屋内で栽培する技術を確立した。屋内栽培では、環境を人工制御でき、温度や湿度などをコントロールできる。ビール各社の気候変動への対応は続いていく。
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