白いゴーグルをつけた男性が操作しているのは、撮影するだけで英語に翻訳してくれるアプリ。ただ単語に訳すのではなく、その状況まで細かく英文に翻訳してくれる。開発したのは4人の高校生で、発案者は高崎高校3年で物理部の黒澤駿くん(18歳)。黒澤くんは「『これ英語でなんて言うんだろう』って思ったことがあると思うんですよ。好奇心を直接いかして学習につなげられるというのが、一番のメリットです」と話す。全国の高校生が研究成果を競う大会で、このアプリは120校のトップに選ばれたという。小学生を対象に自分から進んで英語に触れることを重視したアプリは、“覚えるだけの教育を変えたい”という黒澤くんの思いが込められている。黒澤くんは「(日本では)英語を大事にしようと思うあまり、子供たちにやらせる形になってしまって、小学生の英語嫌いがすごく増えている」と話す。黒澤くん自身も、小学校の頃に通っていた英語塾で“やらされる学習方法”によって英語が嫌いになってしまったという。こうした経験から、これ以上、英語嫌いを増やさないためにアプリ開発に取り組んでいるという。黒澤くんは「小学生で英語が嫌いになったら、中学生ではもっと英語が難しくなっちゃうから嫌いになっちゃいますし、英語をできる人が増やすのに、小学生の英語嫌いをできるだけ減らしておくのが重要。せっかく持った興味を無駄にしない学習に貢献できたら、うれしいです」と話す。黒澤くんの“アスヨク”ソング・Eve「レーゾンデートル」。