2023年9月7日、SORA-Qを乗せたH2Aロケット47号機が月に向かって打ち上げられた。SLIMに乗ったSORA-Qは約4か月をかけて月へと向かう。月に到達後に放出され、SORA-Qは完全自律制御で月面を撮影。そのデータを地球に送る。月面での活動時間はわずか2時間、そこ長年の研究成果すべてがかかっていた。2024年1月20日午前0時20分、着陸の瞬間。まさかのトラブルが発生、SLIMが着陸できていないかもしれない。しかし、SORA-Qが動いているとのデータを受信。5日後、月から1枚の画像が送られてきた。そこには逆さまに着陸したSLIM、凸凹の月面、SORA-Qの両輪が映っていた。月面探査が成功した瞬間だった。久保田の元にはNASAの友人から褒め言葉のメールが届いた。研究開発から約9年、小さなSORA-Qは世界の宇宙史に大きな足跡を残した。