建設予算の追加について態度保留したアメリカは、独自の国家戦略を打ち出していた。AI開発には膨大な電力が必要となる。テクノロジー界の巨人たちの後押しを受けて全米に核融合スタートアップ企業が台頭し、2028年までに核融合発電を成し遂げると野心的な目標を掲げた。アメリカ議会では自国の利益を確保する仕組み作りが早急に検討され国際プロジェクトの存在意義すら問われたが、ITERアメリカ機関長のマッカーシー氏はいたずらに実用化を急ぐべきではないと警鐘を鳴らし、安全性や実用性を多角的に検証することが国際プロジェクトの意義だと訴えた。ITERに参加する中国は、核融合開発にアメリカ予算の2倍にあたる2300億円が年間で投入されると言われる。多くの中国系作業員がITERで働き、最前線の技術を吸収している。ITER副機関長のルオ氏は、中国は国家戦略として核融合大国を目指していることを語った。日本も独自の戦略を打ち立て、世界初の発電実証のための原型炉を国内に建設する計画を国が進めようとしている。
