過熱する競争と主導権争いの中、大前さんは核融合スタートアップ企業と協力関係を築こうとしていた。世界の競争原理とは逆に、ITERは長年開発してきた先端技術を積極的に公開した。大前さんは、民間企業とも交流を深めながら核融合発電の実現を早める新たな国際プロジェクトのかたちを模索していた。建設現場では、セクターモジュールの隣り合う距離を2ミリまで近づける困難な作業が始まった。傾きやズレの克服に求められる精度は100万分の1で、微細な調整が核融合の成否に関わるという。様々な国から集まったエンジニアたちは意見が食い違いながらも、協力してセクターモジュールの移動を成功させた。
