Monday MOTOR SPORT。「スーパー耐久 Rd.5」、そこに大きな夢に挑む異色のドライバーがいた。ST-2クラスで今シーズン2勝の強豪チームKTMSでステアリングを握る奥本隼士(25)。レース歴はわずか3年。ラジコン出身レーサー。幼い頃からレースに憧れていた奥本が最初に手にしたのがラジコンカー。2011年には世界一の称号を手にした。そんな奥本がリアルレースの世界に足を踏み入れたのは大学卒業を控えた2021年。幼い頃の夢を諦められず地元のレーシングチームの門を叩いた。現状プロドライバーたちは幼少期からカートを始めステップアップしてきた者ばかり。レース経験ゼロの奥本がここからプロを目指すのは無謀な挑戦と捉えられても不思議ではなかった。それでも奥本の情熱に共感した青合社長は全面バックアップを決意。その決断の理由は彼の特別な才能にあった。奥本は「基本的に車に乗っているときはラジコンの風景が頭の中にある」「俯瞰で見ているのは今でもそうですね」などと語る。周囲のサポートとラジコンで培った力で貪欲にステップアップに挑んでいった奥本。さらに今年3月には名門R&D SPORTにアポ無しで突撃営業。テストを受けた末、チームに帯同することを許可された。その情熱と行動力で憧れの舞台に一歩近づいてみせた。そしてきのう行われたスーパー耐久決勝レース。奥本はチームの一員として約1時間15分の走行を担当。一気に3位から首位へ躍り出る快走を見せ、チームの今シーズン3勝目に貢献した。