今、クジラ肉の消費を再び拡大させようとする動きが活発化している。3月、東京・日比谷にオープンしたイタリアンレストラン「ラ・バレーナ・ネル・パルコ」はクジラ料理の専門店。パスタやサンドイッチにも鯨の肉が使われている。仕掛けたのが、国内最大の捕鯨会社「共同船舶」の所英樹社長。クジラの肉の消費拡大を目指し共同船舶が75億円をかけて新造したのが、捕鯨母船「関鯨丸」。捕鯨母船とは、捕獲したクジラを船で解体して箱詰めまでするいわば、海の上の加工工場。捕鯨母船の新造は73年ぶり。とったクジラは、船の上ではなく温度管理された船内で解体する。解体した肉は、すぐ隣の加工施設で滅菌して急速冷凍にかけ、鮮度を保ったまま、全国に出荷することができる。5月下旬から漁に出る関鯨丸で、質の高いクジラの肉を供給することで消費を拡大しようという。日本は2019年、国際捕鯨委員会を脱退し商業捕鯨を再開した。現在は水産庁が漁獲可能量を定め宮城県沖など日本の近海のみでクジラを獲っている。今年は354頭までとることが可能。しかしクジラの肉の消費量はピーク時の100分の1にまで減っている。
住所: 東京都千代田区内幸町2-1-6 日比谷パークフロント