り災証明書の発行を迅速化。「り災証明書」とは、災害で住宅が被災した際に建物を修繕する補助金などで決める基準となるもの。これまで現場では、被害の程度を判断するための基準を冊子をめくって調べながら、調査票に入力したり被害状況がわかる写真を撮影したりして回る。市役所に戻ると調査票の内容をパソコンに入力、一軒あたり数十枚に及ぶ写真を整理しなくてはならなかった。能登半島地震で自宅も被災した阿部さんは、被災後すぐにり災証明書を申請したが、発行までに2ヵ月ほどかかったという。阿部さんは、り災証明書が出ないと、支援制度が使えない。判定をもらわないと再建には進めないと話していた。生活を取り戻すためにもり災証明書の早い発行が必要と判断し、新しいシステムが導入された。紙とカメラで行っていた作業は、タブレット端末1台で行えるようになった。被害の程度はタブレット端末に現場に入力、写真のデータは住宅ごとに自動で紐づけられるため、情報を整理する必要がなくなった。システムの導入によって、作業時間が従来の半分に短縮できると考えている。