村が丸ごとホテルになっている山梨県小菅村。フロントも客室も村の空き家を使用している。手掛けるのは「NIPPONIA 小菅 源流の村」の番頭の谷口峻哉さん。コンセプトは「小菅村を一つのホテルに見立て、村みんなで客をもてなす」。庭の手入れから客の案内まで全て村の人々が行っており、宿泊者は無料で村の温泉が使用可能。料理は村の旬の食材を使っている。谷口さんがこの道を志したターニングポイントは、務めていた大型ホテルを辞めてオーストラリアへ2年間留学したこと。ストレスで疲れていた谷口さんは、訪れた小さな村で互いに助け合う暮らしを知り、オーストラリアが「また帰りたい」と思う場所になったという。谷口さんは「地方にこそそういう魅力があると思う。自分を取り戻せる場所、“ふるさと”だと思ってもらえる場所を増やしていけたらいいなと思います」と語る。