新型コロナの後遺症で仕事を休むことが増え、現在住んでいる家の家賃を滞納し、立ち退きの期限が迫っている男性。NPO法人の紹介で訪ねたのは、Rennovater。約6年前から、高齢者や低所得者のなかでも住む場所が確保できない「住宅確保要配慮者」を中心に物件を貸し出している。入居希望の問い合わせは年間約1000件あり、半数は、市役所や社会福祉協議会などからの紹介が占めている。Rennovaterの松本さんは、サラリーマン時代に所有していたマンションの一室を貸そうとした際に、不動産業界で嫌厭され家を借りづらい人々がいることを身を持って知ったという。今回男性に紹介した物件は、築36年だが、キッチンや床はリフォーム済み。賃料は4万円。松本さんは、空き家や空室に悩むアパートの所有者から、購入したり借りたりした物件を自分たちでリフォーム。退去後も、自分たちで清掃し、経費を削減して、物件を相場より安く提供している。現在では、関西を中心に450以上の物件を提供している。この日、松本さんは、部屋を貸した人の元を訪れ、フードバンクから提供された食料を渡していた。こうした入居後のサポートも行っている。関係を築くことで、家賃滞納などのトラブル防止につながっているという。松本さんは、今後10年以内に提供する物件を1万件に増やすことを目指している。