乳児が感染すると重症化しやすいRSウイルス。妊婦にワクチンを接種し子どもの感染を防ぐ試みが始まっている。妊娠8か月の女性が接種したのは、生まれてくる子どもが「RSウイルス」に感染するのを防ぐためのワクチン。妊婦が接種する「母子免疫」のワクチンとして今年1月、国内で初めて承認され5月末から接種が可能になった。国立感染症研究所・全国約3000の小児科報告では「RSウイルス感染症」の患者は4週連続で増加している。2歳までにほぼ全ての子どもが感染し、発熱等風邪のような症状が出るといい、生後半年までに感染すると肺炎など重症化するリスクがある。妊娠28週から36週で接種した場合に有効性が高いとされている「母子免疫」ワクチン。治験では生後半年までに重症化する乳児を約7割減らすことができたという。一方で全額自己負担の為、接種費用は3万円を超える場合が多く負担が大きいのが課題となっていて、厚生労働省は公費補助の「定期接種」対象とするか、議論を始めている。