中国 少子高齢化の背景

2023年5月16日放送 10:22 - 10:29 NHK総合
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中国では一人っ子政策が1980年頃から長年続いたあと、7年前に廃止され現在は3人まで認められている。しかし、出生数の減少傾向に歯止めがかかっていない。去年の出生率は1949年の建国以来最低を記録。一方で65歳の高齢者は2億人を超えている。中国の少子高齢化の背景に何があるのか取材。
14億人の人口を抱えながらついにその数が減少し始めた中国。こうした状況に街の若者は「生活苦で結婚もしない、子ども作らない。そういうことじゃないか」「若者は自分自身が大切で恋人や家庭、子どもまで考えられないのではないか」などの声が聞かれた。中国の人口減少の背景にあると指摘されているのは近年急速に広がる若者の結婚離れ。初めて結婚した人の数は2013年約2385万人余だったが、最新の統計があるおととしには約1157万人余と約半分に落ち込んだ。主な理由は価値観の変化。中国では経済発展にともない暮らしが豊かになる中プライベートを重視し、結婚や子育てで自分だけの時間が減ることを嫌がる人を増加。また、社会的競争が激しくなる中で受験勉強などに集中してきた結果、異性との関わり方がそもそもわからないという人も多くいるという。実際に結婚は考えていないという男性に話を聞いたら最大の経済都市上海に住む殷世豪さん。海外に留学後、医療分野などの会社を創業するなど複数のしごとを掛け持っている。毎日ほぼ休みなく働いているという。実は殷さんは以前結婚を約束したパートナーがいた。経済的には困っていないが結婚後の生活や子育てに不安を感じていて今は結婚を考えていないという。さらに2年前に新しい事業を始めた殷さん。今は自分の時間を自由に使い、ビジネスに邁進したいとしている。少子化傾向が続く中、急速に進んでいるのが高齢化。中国ではその要因とされる一人っ子政策が1980年ごろから30年余続いた。今では40代となる独身の一人っ子が親の介護を1人で行うこともあるなど現役世代の負担が増えていると指摘されている。こうした状況に習近平指導部も危機感を覚え、対策を進めている。その取組のひとつで先進的なモデルに指定されている東部浙江省杭州にある和睦社区と言われる団地。1980年代に国有企業に勤める人たちの団地。約3000世帯1万人あまりが居住している。高齢化が進み定年退職者が3000人あまりとなっている。高齢者の生活を支援するため4年前から地元政府からの援助を受けて無料で利用できる多目的室や公園などを設置した。この団地では高齢者のケアを充実させることで現役世代の負担を軽減し、子育てをしやすい環境を作ろうというもの。さらに子育て支援の一環として3年前には敷地内に新たに託児所を整備した。家賃は地元政府が負担。そのため利用料は約6万円(月額)で市内の託児所と比べ半額。将来的にはこの団地と同じモデルを市内に設置していくとしている。


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