2024年3月26日放送 9:00 - 9:45 NHK総合

プロフェッショナル
教えてくれるのは、いつも子どもたち〜少年野球監督 辻正人

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

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則本昂大東北楽天ゴールデンイーグルス辻正人
file:524 教えてくれるのは、いつも子どもたち
世界を制した少年野球監督 子どもたちが輝く理由

7月、派手なチームのロゴがデザインされた車に乗り辻がグラウンドへとやってきた。練習用の道具を運ぶための車で中古の軽トラを自ら改造したという。3歳から12歳まで120人が所属する多賀少年野球クラブ。辻は監督として5人のコーチとともに指導にあたる。この日は4年生による県大会の予選に臨む。試合開始まで1時間、ようやくその場でオーダーを考え始めた。練習はもちろん大会であろうと参加の強制はしないという。ウォーミングアップで辻が「この大会優勝したときの練習しましょ」と不思議なことを言い出した。さらにヒットを打ったときに思いっきり喜ぶ練習をさせた。試合が始まると辻は子どもたちに作戦を考えさせ指示出しも任せてしまった。ノーアウト1塁のチャンスの場面、盗塁を狙おうと子どもたちから声があがるが辻は正解も不正解も示さない。答えは子どもたちの中にあると信じている。子どもたちの作戦が功を奏し大量得点を重ねていきチームは2回戦を突破した。

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多賀少年野球クラブ長浜市(滋賀)
世界を制した少年野球監督 子どもたちが集まる理由

試合が終わるとすぐに辻さんは他の学年の練習のため地元のグラウンドへと向かう。三度の全国優勝を誇る辻さんの少年野球チーム。他県から通う子どもや移住してくる家族が後を絶たない。強さの秘密は子どもたちのストレスを解放する練習にある。練習時間はほかの強豪にくらべ半分ほど。服装や髪型といった規則もほとんどない。小学生には難しいとされる技術も積極的に教えていく。この日はあえて足場の悪い雑木林での練習。丸太を障害物にし難易度を上げる。子どもたちが興味を持続させられるような練習法を毎週のように考える。辻は「好奇心にフタをしない」と話した。

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多賀町(滋賀)
世界を制した少年野球監督 子どもたちが輝く理由

8月、子どもたちが目標としてきた全国大会が迫っていた。辻が気になる選手がセンターを守る松永眞生くん。この日は市内大会の決勝戦。ランナーがいる場面でバントを失敗し最後は空振りに倒れた。辻は松永くんのプレーに迷いを感じていた。松永くんは3年前に他のチームから移籍してきた。全国大会の前哨戦、前回と同じチャンスの場面で辻が松永くんを呼んだ。フルスイングで畳み掛けたい場面で辻は他の選択肢を示し判断を委ねる。松永くんは自分の考えでバントを選んだ。試合の最中、バントの練習がしたいという松永くんを辻は躊躇なく送り出した。辻さんのチームはどんな子ども受け入れる。生魚将輝くんはむずむず脚症候群を発症しチームに入ることを諦めていたが辻は迎え入れた。

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むずむず脚症候群
世界を制した少年野球監督 子どもたちとの35年

辻さんの本業は公務員。指導の時間を安定して確保するため29歳のときに転職した。部員から集めるのは道具などを揃えるための運営費月3千円だけ。持ち出しでマシンや車を揃え週5日の活動を35年間ほぼ休みなく続けてきた。何が辻さんを突き動かすのか。辻さんには子どもの頃、忙しかった父親に遊んでもらった記憶がない。寂しさを受け止めたのが中学校で出会った野球だった。20歳のとき地元で少年野球クラブを立ち上げた。時間の全てを注ぎ込み技術を教え込んだ。立ち上げから8年で県で優勝する強豪になり全国大会の常連になった。でも部員数は増えずに辻さんの中には常に焦りがあった。勝ちさえすれば部員も集まるはずと思ってひとつのミスも許さない緻密な野球を求めた。あるとき辻さんのサインが読まれたことで負け、次の試合では苦肉の策でサインをなくすと思いがけないことが起きた。子どもたち同士で議論が起きたことが楽しかったという。辻さんは幼い頃に自分が求めていたものは何だったのかを考えた。叱ることよりも褒めることに全力を尽くしたいと思った。大人の都合で作られた規律を全て見直し、好奇心を引き出す練習を考え抜いた。そして時間のある限り子どもたちのそばにい続けた。創部から30年、チームは全国大会で優勝した。勝負を決めたのは子どもたちが自ら考えて選んだ走塁だった。大切なものはいつも子どもたちが教えてくれていた。県外から通う中居昂士くんは前は野球が楽しくできなかったから楽しくできると思って多賀に来たと話した。岐阜のチームから移籍してきた清水新太くんは多賀は思いっきりプレーができると話した。

世界を制した少年野球監督 子どもたちとの夏 全国大会に挑む

夏の全国大会が開幕した。およそ1万1千のチームが参加するいわば小学生の甲子園。辻のチームは滋賀県代表として勝負に臨む。初戦の相手は宮城県代表で全国大会に6度出場している強豪。試合前日、子どもたちと相手チームの映像を見ながら攻略の糸口を探る。試合当日、辻は病気と闘いながら練習を続けてきた生魚くんにピッチャーを託した。初めて立つ全国大会のマウンドで得点を許すことなく初回を抑えた。滋賀の攻撃は打撃の練習を重ねてきた松永くんが先制点をもぎ取った。守備でも松永くんのビッグプレーが飛び出す。だが生魚くんの投球が乱れ始め、代わってマウンドを託されたのは6年生の清水くん。牽制球のエラーで得点を許した。辻はノーサインを貫く。2点リードで迎えた最終回。土壇場で逆転を許した。最終回の攻撃、ツーアウトから清水くんが塁に出た。清水くんが自らの考えで試合を前に進める。5-4で子どもたちとの夏が終わった。その日の夜、辻は「いやでも負けてないですよ。あのプレッシャーの中であの子らは勝ったんですよ」と話した。6日後、グラウンドに辻の姿があった。皆知っている、失敗してからが本当のスタートだと。辻はプロフェッショナルとは目標をクリアしてもさらに高い壁を自ら作って指導者が気づいてないような壁まで倒せるような思考だと話した。

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