- 出演者
- 武蔵川親方 松坂慶子 新浜レオン
オープニング映像。
千葉県成田市にある成田山新勝寺で行われる節分会。大河ドラマ「光る君へ」の出演者も参加した。毎年恒例の節分会の豆まきだが、NHKには昭和40年代からほぼ毎年の映像が残されている。成田山とゆかりのある市川團十郎さんは「妻が亡くなってから子どもたちに風邪をひかせてはいけないなと思いながらまいた時が一番思い出に残っています」と語る。今日はNHKに残る節分会の映像を紹介する。
昭和の節分会を映像で振り返る。今の大本堂が完成した昭和44年、高見山関さんや大谷直子さんの姿が見える。51年の映像には北の湖関が。昭和52年にはその年の大河ドラマ「花神」から主演の中村梅之助さん、加賀まりこさんが参加した。昭和53年は成田山近くに成田空港が開港した年。翌年からは外国の航空会社の人々が参加。昭和55年には大河ドラマ「獅子の時代」に出演した菅原文太さんらが参加した。昭和56年の大河ドラマ「おんな太閤記」からは主演の佐久間良子さんらが参加。翌年千代の富士関が初登場。昭和58年は浦安市に東京ディズニーランドが開園した年。大河ドラマ「徳川家康」で演じた滝田栄さんの姿がある。高見山関はこの翌年に引退するまで14回参加した。昭和61年には小錦関が初参加。昭和62年は大河ドラマ歴代最高視聴率を記録した「独眼竜政宗」から主演の渡辺謙さん。昭和最後の63年では千代の富士関や西田敏行さんらが舞台を彩った。
節分会の映像についてのトーク。松坂慶子さんは「昭和の感じがして懐かしかった」などと話した。成田市の伊藤さんは父親が映っていたという。龍崎さんは「ちょうど今から50年前、父の代参であがった」と話し、記念の升を披露。「親方たちのはこれよりも大きい。これを持つと小さくしか見えない」などと語った。
節分会に3回参加している松坂慶子さん。松坂さんの大河ドラマ初出演は20歳の頃だった。「国盗り物語」で織田信長の妻・濃姫を演じ、この年の節分会に初めて参加。大河ドラマの出演者が節分会に招かれるのはこの年が初めてだった。昭和60年には「春の波涛」で主役を務めた松坂さん。演じたのは日本の女優第1号とされる川上貞奴。フランス・パリでのロケも注目された。この年の節分会に松坂さんは共演者と一緒に参加。そして平成9年には大河ドラマ「毛利元就」に出演し、中村芝翫さんらと共に参加した。
大河ドラマ「光る君へ」。源氏物語を書き上げた紫式部の物語である。吉高由里子さんが主人公・紫式部を演じている。今年の節分会には主演の吉高さんや、柄本佑さんなど共演者も参加。そして新浜レオンさんの姿も。吉高さんは「あっという間に400キロ分の豆がすっからかんになった」などとコメント。また「大河が始まってから公の場に出る機会があまりないため、見ている人たちの声援を聞けて励みになった」などと話した。
市川團十郎は成田山節分会に毎年のように参加しており、成田山新勝寺と市川團十郎家は深い縁があり幼少時から父の横で帯同していた等と話す。300年前の歌舞伎の初代市川團十郎は跡継ぎがなく父の出身地の成田の成田山の不動に子が授かるよう祈願して叶ったことから市川家は代々成田屋を名乗るようになった。市川團十郎は節分会で力士らと一緒になるのが楽しみで、最近では2人の子どもと共に節分会に参加している。
節分会の参加回数が最も多いのは高見山・稀勢の里の14回で武蔵丸は10回参加している。武蔵川親方は平成元年に18歳でハワイから来日し武蔵川部屋に入門した。四股名は武蔵丸で昇進し続けて大関として臨んだ名古屋場所で全勝で優勝を果たし、翌年の節分会に参加した。1999年には第67代横綱に昇進し、以降平成15年に引退するまで毎年節分会に参加した。武蔵川部屋でも毎年豆まきが行われており、武蔵川親方は弟子たちに縁起物だと説明している。
成田山で平成最初のまめまきが行われた。大河ドラマは春日局で主演は大原麗子さんであった。平成2年は翔ぶが如くで西田敏行さんが西郷隆盛を演じた。田中裕子さんや元キャンディーズの田中好子さんの姿もあった。平成7年に阪神・淡路大震災が発生した。2週間後節分会は震災からの復興を祈り行われた。平成11年には大河ドラマ元禄繚乱の松平健さんや宮沢りえさん、平成17年には義経を演じた滝沢秀明さん、平成20年は篤姫で主人公を演じた宮崎あおいさんが参加した。白鵬関は横綱に昇進して初めての参加である。平成22年、徳川家光の母となる江を演じた上野樹里さん。稀勢の里関は高見山関と並んで最多14回の参加となった。平成23年は東日本大震災が発生し翌年の節分会には被災した自治体の市長が招かれた。翌年の大河ドラマは福島県が舞台で主人公を綾瀬はるかさんである。平成最後の大河ドラマは東京オリンピックをテーマにしたいだてんである。
松坂さんらは豊かになってきたなどと話した。どんな天候でも中止になったことがないという。成田市民は授業を削って節分会に行っていたという。滝沢さんのときは人が溢れていたとのこと。綾瀬はるかさんの時は朝7時に駐車場が満車になっていたという。
成田山は江戸時代も庶民の間で人気があった。七代目の市川團十郎の影響もあり、成田山もうでが大流行した。江戸時代の成田山の奉納請取帳には、玉屋内白玉がお寺に提灯などを寄進したと綴られている。賑わいは今も続く。参拝者は年間1000万人。十三代目市川團十郎さんは、大浦ごぼうが思い出に残っているという。
成田山霊光館の学芸員の矢嶋さんに話を聞く。成田山は福を分かち合う場だとのこと。成田山は「福は内」しか言わない。「鬼は外」は言わないとのこと。地元のみなさんとの関わりも貴重だという。松坂さんは、垣根がなくなるようだと言う。
おしまいに令和の節分会の様子を伝えた。長谷川博己さん、新浜レオンさんなども参加。新型コロナウイルスの感染が拡大し緊急事態宣言が出された。節分会の景色は一変。令和三年は、規模を縮小。去年いつもどおりの節分会に戻った。大河ドラマ どうする家康 の出演者の大森南朋さんも参加。新浜レオンさんは2020年に参加したとのこと。
武蔵川親方は節分会に10回参加。時代は変わっているようだと感じたとのこと。新浜レオンさんは、成田山新勝寺の節分会に支えられた今があると語る。松坂慶子さんは節分会に3回参加。節分会はとてもいい日になるという。来年ははじまって100年という節目の年だ。NHKではこれからも貴重な映像を活用していくとのこと。