東京八王子市の物産展で昨年末から目立つ場所に置かれているまげわっぱは、市内の木工職人の三澤正孝さんが作っている。大工を生業にしてきた家系で育ち、自身も8年前に脱サラして家具などを作っている。三澤さんは多摩地域の林業が次第に衰退する中、多摩の木材を知ってほしいと思い、良質な木材でしか作れないまげわっぱを思いついたという。材料は厚さ3mmに切り出したヒノキで、水分を蒸発させ型に沿わせ曲げて作っていく。最適な厚みや曲げ方を試行錯誤し、製品化に3年かかった。1人が作業して1つが完成するまでに1ヶ月半かかる。三澤さんは当初この場を売り出そうと考えていたが、地元の型染め職人の山崎香さんからまげわっぱにデザインを施したいと申し出た。その後約半年の試作を重ね、東京まげわっぱが去年完成した。今後は八王子のグラフィックアーティストとのコラボなども計画しているという。