今日発表された中国の不動産開発投資額は前年同月比マイナス9%となり、不動産市場の低迷が続いていることがわかった。こうした中、地方政府がこれまで不動産から得る収入で進めてきたインフラ開発計画の甘さが浮き彫りとなっている。天津は東洋のマンハッタンを目指し開発が進められてきた金融街だが、当初の想定と異なる状況に陥っている。開発は市が金融やハイテク産業を誘致しようと1兆円超の資金を投じてきた。しかし、誘致しようとした企業などは利便性のよい北京へ行ってしまった。その結果、多くのビルは建設途中で放置され、人通りもほとんどない。天津の去年末の債務残高は前年から3割近く増え、22兆円あまりと過去最大に膨らんでいる。公共事業の停止などが余儀なくされている。甘粛省の天水でも2020年に市が主導して約13キロの路面電車が開通したが、利用者数が見込みを下回っている。今年、党中央からは巨額の浪費だと名指しで批判されたほど。中心部まで延伸する計画もストップし再開の見通しはない。不動産価格の上昇を前提としたインフラ開発頼みの成長モデルは岐路に立たされている。