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高校生がそば打ちの技術を競う「そばうち甲子園」。今年史上2校目の3連覇に挑んだのが啓新高校だ。「越前そば」の魅力発信を目的に創部された啓新高校そば部。部員は16人、週3回そば打ちの練習をしている。エースは3年生の三村彩乃さん。生地を扱うその動きは職人顔負けだ。大会直前、福井市内の老舗そば店を訪ねた。この道40年の職人に指導を受けるためだ。そば打ちで重要なのがそば粉を水で練る「水回し」だ。生地の硬さが適切でないと最後に切ったときそば一本一本にばらつきが出て大会で大きな減点となる。試行錯誤が続く。大会当日、大会には全国のそば処・強豪27チームが参加した。団体戦は1チーム3人。生地をこねる・切るなど3つの工程に分かれ制限時間40分で行われる。水回しを担当するのは三村さんだ。しかし重圧から納得のいく硬さにするのに時間がかかってしまう。あとを託されたチームメイトはスピードをあげ完成に向かう。残り3分、理想としてきたそばができた。試合後、三村さんの目にはやりきった達成感と結果への不安で涙が溢れた。そして結果発表、啓新高校が3連覇を果たした。そば1本1本の均一さに加えチームワークが評価された。三村さんは「ドキドキしたが最後に優勝を取ることが出来てとてもうれしかった。3年間のなかで一番いいそばを作ることが出来た。」などと話した。この大会では個人表彰もあり、三村さんは最優秀選手賞を受賞した。三村さんは今年の夏は自分を成長させ仲間を信じることの大切さを感じたと話している。