首都圏情報 ネタドリ! 認知症“予備軍” 「早期」に「予防」できる!?
俳優の山本學さん87歳は自分が軽度認知障害になって体験したことを広く知ってほしいと取材に応じてくれた。山本さんはこれまで数多くのテレビドラマや舞台で活躍してきた。ここ数年、漢字を忘れるなど物忘れが増えてきた山本さん。そして2年前、ある異変を感じた。実際にないものが存在するかのように見える「幻視」の症状が表れた。山本さんは認知症を疑い病院を受診。精密な検査を受けた。MRIで脳の海馬の状態は年齢相応と見られた一方、別の検査で脳の一部に血流の低下が見られた。診断結果は軽度認知障害。ただ、山本さんはその現実を冷静に受け止めた。メモリークリニックお茶の水、主治医の朝田隆院長は山本さんに対し認知機能の低下を防ぐためのアドバイスを行った。医師のアドバイスのもと山本さんが取り組むことにしたのが週に1回の筋力トレーニング。腹筋や片足立ちなどで全身の筋肉を刺激していく。筋肉を刺激すると脳の神経細胞に影響し脳が活性化するという研究結果が報告されている。さらにバランスのよい食事が認知機能の低下を防ぐという研究もある。山本さんの朝食はハンバーグやバターなどを混ぜたたんぱく質豊富なオートミール。そして、サラダや果物。多くの種類の食品を食べることで認知機能が悪化するリスクを44%下げることができるとされている。先月、山本さんは2年ぶりに認知機能検査を受けた。記憶や計算、文章理解など1時間程の検査を行った結果、代表的な2種類の認知機能テストの点数が2年前よりともに改善していた。