さくらんぼ 受粉の危機 生産者が奔走

2026年5月7日放送 13:30 - 13:37 NHK総合
列島ニュース 列島ニュースアップ 山形局

きょうのテーマは「さくらんぼ3年連続の不作?」。山形県が全国一の生産量を誇るサクランボだが、6月に収穫期を迎える。ところが近年、収穫量が減ってきている。おととしが8590トン、去年が平成以降最低の8310トンで、2年連続で一定の収穫量の指標となる1万トンに届かなかった。最も多い2016年と比べると45%も減少している。県によると、いずれも猛暑などによる影響だという。去年は暑さによって2つの実がくっついた状態になる双子果も多く発生し、実が柔らかくなりすぎる問題も出て、出荷できなくなったり値段が下がったりした。今年の収穫を左右しかねない別の問題が、受粉を迎えるこの春の時期に出てきている。奔走する生産者に密接した。4月中旬、開花を迎えた山辺町のサクランボ農園。3年前からこの農園を営む安孫子陽平さんは、35アールで佐藤錦や紅秀峰などの品種を育てている。この時期に花粉が雌しべについて受粉することで、初めてサクランボは実をつける。しかし今年はある異変が起きている。花粉を運ぶマメコバチは、体が小さくて花粉が体にまとわりつきやすく、ミツバチに比べ受粉に適するが、暑さに弱いという。去年夏の記録的な暑さなどで死んでしまい、例年に比べ著しく減少した。開花から1週間が勝負だという受粉。しかし安孫子さんの農園では3月から気温が高い日が続いた影響で開花が早まり、品種によっては平年より5日も早くなっている。時間が迫る中で急きょ、安孫子さんはマメコバチの代わりに、ミツバチの巣5つを約13万円で購入するなどして調達。ただ全ての受粉は間に合わず、収穫量は不作だった去年の6~7割に留まると危機感を募らせている。マメコバチ不足に悩むのは安孫子さんだけではない。県によると、県内全域でマメコバチの個体数はおととしから減少。去年、県内119の生産者に行った調査では、84%が「例年より活動していない」と答えた。危機感を強めた山形県は、「さくらんぼ結実大作戦」と銘打った対策に乗り出した。生産者に技術指導を行う県の普及員向けの研修会で説明されたのは、電動の人工授粉機の現場への導入。花粉を機械のタンクに入れて吹き付ける。確実に実らせるため人の手による方法を普及させようとしている。研修を受け早速、安孫子さんの農園を訪ねた普及員。まずマメコバチが減ったことへの対策として、農園にある鳥よけのネットに目をつけた。目が細かいネットを重ねて風を防ぐことで、ハチの活動量を増やせるという。ただハチだけでは厳戒がある中で、安孫子さんは県が推進する人工授粉機を導入。1台約10万円のため、今回導入できたのは2台のみ。このため最終手段として行うことになったのが、毛ばたきという道具。普及員から人の手で受粉させるための作業のコツを聞いた。ハチや機械よりも効果が落ちるものの、やさしく花粉をつけることや回数を増やすことで、実を結ぶ確率が高まると説明を受けた。気候変動に翻弄され生産が年々難しくなるサクランボ。それでも安孫子さんは実りを信じ、工夫を続ける。


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山形県佐藤錦紅秀峰ミツバチさくらんぼ山辺町(山形)マメコバチ

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