ザ・ノンフィクション みんなで生きていく 元ギャルとシングルマザーの家
神奈川・登戸にある築約40年のアパート。ボランティアや近所の人たちがたくさん集まって掃除をしていた。山中真奈さん(38歳)はこの場所に、生活に苦しむ母子家庭用の住居を構えようとしていた。現在、日本の母子世帯の数は約120万。子育てと仕事の両立が難しいため、収入が安定せず、部屋を借りるのにも大きな壁がある。真奈さんがこうした取り組みをする背景には、自分の居場所を見つけられず苦しむ人々をたくさん見てきたから。真奈さんはもともとギャル。子どもの頃から家族とうまく関係を築けず、10代から20歳の頃まで夜の街を出歩く日々を送っていた。その中で出会ったのが家や社会で大切に扱われた経験の少ない若者たち。そして、ギャル生活を卒業後、不動産仲介会社で働いている頃、大阪の2児餓死事件のニュースを目にする。それはシングルマザーの育児放棄によって引き起こされた悲しい事件だった。そうして8年前、まったくの手探りで母子家庭用の家づくりを始めた。