時論公論 (時論公論)
イランが打ち出したホルムズ海峡の事実上の封鎖は日本の原油調達に大きな試練をもたらした。日本は原油の93%をペルシャ湾諸国から輸入していたため原油の深刻な供給不足が懸念された。これに対し日本は備蓄していた石油約50日分の放出や代替調達を増やしてきた。しかし紅海を経由するルートは安全保障上のリスクが顕在化している。代替調達強化のための具体策の一つは中東産の原油をホルムズ海峡を通らずに輸送するためのパイプラインの建設を支援すること。もう一つの具体策は代替ルート活用の追加的な輸送コストの支援。
アメリカ産原油を巡ってはコスト以外の問題も指摘されている。日本の採油所は中東産の原油に適応するように作られている。アメリカ産は性質が異なりそのまま使うと問題が生じるため中東産と混ぜる必要がある。専門家は企業が中東のリスクを認識しつつも依存度を低下させてこなかったのは経済的合理性があったからだと指摘している。エネルギー需給構造強じん化総合パッケージにはナフサの供給力を強化する対応策も盛り込まれた。原油価格が高騰したことで暮らしも大きな影響を受けた。企業物価指数は今年7月、前年同月比7.2%上昇した。今後価格転嫁されさらなる物価上昇をもたらすものとみられる。またガソリン価格を巡っても政府の政策で4月から1兆円程度の税金が投入されている。専門家の間では日本経済への影響を抑えるには化石燃料への依存度低下が必要との指摘がある。エネルギー調達を安定させるためにも改めて取り組みの強化が迫られている。
