視点・論点 (視点・論点)
学校教育法が改正され、デジタル教科書が学校で使えるようになった。2019年に学校教育法などの一部改正があり教育課程の一部でデジタル教科書が可能に。まもなくGIGAスクール構想が開始、校内通信ネットワークの整備・子どもたち1人1台の端末環境の整備が進んだ。2021年にデジタル教科書は授業時間数1/2未満制限が撤廃、現在は一部強化でデジタル教科書の段階的導入が進んでいる。デジタル教科書の特徴は教科書準拠であるということ、デジタルであること。拡大表示、書き込み・消去、ルビ表示などができる。また、動画やアニメーションなど連動するデジタル教材で学習効果が高まる。一方で、予算は誰が負担するのかはっきり決まっていない。デジタル教科書は今までのような読む教科書から、書く教科書、共有する教科書と役割が変わってきている。学校ぐるみで子どもたちに情報活用能力など学習の基盤となる能力を身に着けさせることが重要。デジタル教科書のアクセスのしやすさを活かしながら、子ども自らが学びを深めていく授業観の転換と共にデジタル教科書のあり方を検討する必要がある。
デジタル教科書には課題もある。デジタル教科書はインターネットにつながって様々な展開が可能、どこまで現在の教科書検定が有効なのか、そもそも検定制度を見直す時期にきている。また、ネットワーク環境を充実できるのかという環境面の課題。教師の研修方法を確立する活用麺の課題もある。スウェーデンではアナログ教育に戻る計画を発表し、デジタル教科書普及に一石を投じた。子どもたちを取り巻く社会は多くの情報やテクノロジーと切っても切れない状況。子どもの学びのために教科書や教育のあり方を立ち止まって考える機会にしなければならない。