NHKスペシャル 混迷の世紀 最終回“超大国・分断” アメリカはどこへ
オーストリアで気候変動対策の陣頭指揮を執るグライスベルガー局長は、気候変動対策に大きな影響があるため大統領選挙を中止していると話した。アメリカは民主党政権下で巨額の資金を投じてきたが、トランプ氏は対策の国際的な枠組みに背を向けてきた。EUは温室効果ガスの排出を実質ゼロにするため気候変動対策を主要政策に掲げてきた。ドイツのショルツ首相は安全保障をめぐってNATOの中でもアメリカとの協調を最優先にしてきた。10月にベルリンで行われたウクライナやガザなどでの戦闘集結を求める集会に集まった参加者からは、リーダーシップを発揮できないアメリカに対して失望の声が聞かれた。与党外交政策担当のシュミート議員は、この20年ヨーロッパ周辺の安全保障へのアメリカの関与は減っている、ドイツはヨーロッパ各国とともにより大きな責任を負う準備をしている、ヨーロッパが主導権を握りアメリカは政治的・経済的な後ろ盾を提供するだけでも構わないと話した。