TBS NEWS (ニュース)
唐辛子たっぷりの四川火鍋は四川省の名物。市内の火鍋店は2万軒以上。一つの鍋の油の量は約2キロ。これを航空燃料に再利用しようという試みが始まっている。使用済みの油から製造される燃料はSAFと呼ばれ、実証実験が進められている。SAFは既存の航空燃料に比べて二酸化炭素の排出を約8割削減。「脱炭素の切り札」とも言われている。火鍋店から回収された油は同じ市内の工場に集められ、最終的に飛行機の燃料に生まれ変わる。来年には専用工場を建設しSAF事業に本格参入する予定。四川金尚環保料技会社・葉彬社長は「四川人は火鍋をよく食べるので原料の面で有利」。SAFの一番の難題は「廃棄油の確保」。四川省では火鍋などから年間約30万トンの油を回収できるためSAF作りに有利。ただコスト面の課題も大きい。SAFの価格は既存の燃料の2〜3倍。より多くの企業が参入し技術を競うことで低価格化は可能だとしている。