中国景気の実態と政策効果を探る

2026年3月26日放送 6:22 - 6:30 テレビ東京
モーサテ プロの眼

インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫が解説する。1~2月期の中国の主要経済統計をみると、景気が少しリバウンドしつつある。一番勢いがあるのが鉱工業生産で、輸出が好調であることを反映している。小売売上は政府の補助金の政策の効果が出ており調子が良いが、1~2月期も少し加速した。固定資産投資は昨年のはじめから減少が続き、1~2月期で少しリバウンドしたが、固定資産投資は中国のGDPの約4割を占めるため、全体としては景気は弱めである。最終需要の伸び率と中国当局公表のGDP成長率は、去年の前半位まではほぼ同じ動きをみせてきたが、去年の後半から乖離してきた。10~12月期の成長率は4.5%だったが、最終需要は前年比マイナスとなった。最終需要の数字は中間需要の在庫投資や誤差脱漏は含んでいない。中国当局はこれを公表しておらず何とも言えないが、在庫投資が去年の年末にかけて大きく膨らんだ可能性がある。積み上がった在庫を減らしていかないとならないため、景気に対しては下押しの圧力がかかることになる。今年の成長率は現状ではまだ厳しく、供給過剰のもとでデフレの状況になっている。今月の全人代で対策が出てきたが、全体の方針としてはより積極的な財政政策、適度な金融緩和政策が継続された。財政政策はほぼ昨年どおりで、成長率へのプラス効果はほとんどないと言える。
新型政策金融ツールの金額が増額されたことは、プラスに効いてくるだろう。新型政策金融ツールは、金融政策、財政政策、産業政策を融合させたハイブリッド政策。政府系銀行が市場から資金を調達し、様々なプロジェクトに資本金を注入。各プロジェクトで借り入れをさらに実施し、多額の設備投資をしていく。財政政策による直接的なGDPのへの押し上げ効果を試算すると、去年は0.6%ポイントだったが今年は2.0%ポイントと、大きく期待できる。新型政策金融ツールの影響がプラスに出るということ。中国が成長していくためには3つのハードルがある。供給過剰の中で企業が投資に対して慎重であること。不動産の厳しい状況が続き、補助金の反動が出てくる可能性があること。イラン戦争でエネルギー価格上昇の影響もある。中国政府は年後半には追加的な経済対策を打ち出し、結果的に4.5~5%との目標は下限のところで達成できるだろう。世界の他の国に対して中国がデフレを輸出していくというような構造が、続いていく可能性は見ておく必要がある。今年すでに打ち出された政策は投資を焦点にしているが、年後半は消費に重点を置いたような政策を取ってくる可能性がある。


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全国人民代表大会財政政策金融政策インベスコ・アセット・マネジメント

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